2024.02.22
神秘の絶景パワースポット「峯の浦・垂水遺跡」
(山形市)
粉雪が舞う静寂の夕闇、雪を踏む音だけが響く、やがて眼前に岩壁が現れ、岩窟には白木の鳥居が佇む。傍らに照明を置きシャッターを切る。蜂の巣状の岩肌に鳥居と影が浮かびあがり、幻想的な風景が刻まれた。
「峯の浦・垂水遺跡」は、宝珠山立石寺(通称山寺)の更に奥の裏山にある霊境。山寺を開山した慈覚大師(円仁)が修行した場所と言われ、大正時代まで実際に山伏が修行していた。
遺跡入口にある千手院の縁起によれば、円仁の立石寺開基に先立つ830年に東北巡錫の途上に垂水遺跡の荘厳な景観に心を惹かれ、天台宗の霊場づくりを決意し、岩壁の奥にある岩窟「円仁宿跡」に籠もり、山寺開基の構想を練ったと言われている。
鳥居のある岩窟の奥には、古峯神社の鳥居と稲荷神社が鎮座し、崖の側面にある近くの割れ目には、不動明王が祀られている。
水の浸食によって形成された、蜂の巣状の巨大な岩壁の岩肌と鳥居の神秘的な造形美は、山形随一の絶景パワースポットとなっている。